博士の愛した数式

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

新幹線に乗っているのが1時間40分。
新幹線を降りてから家の駅まで20分くらい。
で、この時間をつぶすのに、読んでみることにしました。文庫なので軽いですし。


博士の愛した数式』は、「本屋大賞」の第一回目(2004年)の大賞を取ったことであらためて評価された作品で、その後映画化までされました。
本屋大賞」自体、いい賞です。本屋さんの店員さん自身が良いと思ったものを評価する大賞なので、変な文豪のしがらみとかないのです。
本屋さん自体が盛り上げているから、店員さんの手書きのPOPも熱が入っていたり…ね^^。


さて、感想…。
博士の愛した数式』は、記憶が80分しかもたない数学者「博士」とお手伝いさん、お手伝いさんの息子、そして、博士にとって特別な存在である義姉のお話です。
女流作家らしいなんともいえない清潔感。
「きちんとしたかんじがする」小説でした。

この雰囲気…なんか覚えがあるな〜と思ったら、はじめて「天才 柳沢教授の生活」(ISBN:4063600416)を読んだときの気分と似てました。
共通するのは、知的な香りと、清潔感と、愛(とくに家族愛)ですね。

いや、これは面白かった!
「泣ける」という作品ではないものの、胸がきゅっとしました。
博士が亡くなったシーンがないところがまたこの作品の静謐さを出しているように思います。

本屋さんがお勧めするのがわかります。


電車に乗っていたぴったり2時間。静かで良い時間を過ごせました。